妊娠発覚
6月上旬、生理はいつも予定通りくるはずなのに今回は来る気配がない。
というのも、生理前になるとイライラしたり、胸が痛くなったり、鈍い下腹部痛がしたり、大体「あ、そろそろ来るな...」というサインが自分なりにあるが、それが全くない。
その代わりにひどい肌荒れで鼻の下に大きなニキビができた。異常に汗をかきやすく、地下鉄に駆け込んで乗車したら汗が止まらず、職場についても汗が全く引かなかった。
これは変だなと思っていた。
結婚後はいつ赤ちゃんができてもいいと思っていたが、全然できず、1年半が経っていた。
お互い今年で29歳。そろそろまずいと思い、不妊治療クリニックに行こうという話もしていた。
そんな中での生理の4日遅れ。一抹の期待を込めて妊娠検査薬を使ってみる。
尿をかけるとすぐに陽性にくっきり線が出た。
嬉しさ100%ですぐに旦那に見せた。
すごく喜んでくれるかと思ったが旦那はわりと冷静だった。
「病院行かなくちゃね。一人で行ける?」
舞い上がっていた私は「大丈夫!今日休みだから午前中行ってくるね!」と早速病院へ行った。
窓口で「妊娠検査、お願いします」と言うと、検尿カップを渡された。
「はー、私もこれで妊婦さんだ」と何故かウキウキしていた。
「妊娠反応出てますね。妊娠しています。」
先生からはおめでとうとは言われなかった。
内診するが、受診が早すぎて胎嚢が確認できなかった。
「また来週来てください。ちゃんと子宮内にいるか確認しますから。あとこれ。これからこのノートは健診の時に持ってきてください。」
と言って健診ノートと、流産の割合を示したプリントを渡された。
お腹を抱えて泣いているお母さんのイラストと天使になった赤ちゃんのイラストが書いてあった。
「妊娠しても20%の人は流産します。大体は染色体の異常で胎児側の問題です。こればかりはどうしようもない。胎盤が完成するまでは何とも言えないからね。」
と先生から言われたが、まさか自分が流産するとはとても思わなかった。
帰ってからすぐにそのプリントは捨ててしまった。
何も写っていないエコー写真を眺め、これからどうやって大きくなっていくのか、ワクワクしていた。